マネキン
MANNEQUIN



翻訳・解説 新田晴彦
編集 池下裕次/KIM A. LUTZ
A5版 136頁 ISBN-4-89407-018-9
本体価格=1,200円(税別)
1994年(平成6年)10月4日 初版発行


うだつの上がらない青年がマネキンに恋をする!? 時空を越えて理想の相手に巡り会う、ロマンティックなラブコメディ。平均的な発音・スピードの英語は、リスニング力を高めるトレーニングには最適です。

書 籍 紹 介
 
映 画 紹 介
書 名 スクリーンプレイ
「MANNEQUIN
        マネキン」
製 作 1987年
監 修 新田 晴彦 会 社 THE GRADDEN ENTERTAINMENT
仕 様 A5版、112ページ 監 督 MICHAEL GOTTLIEB
発行日

1994年10月4日

脚 本 EDWARD RUGOFF
出版社 株式会社 スクリーンプレイ 出 演
ANDREW MACCARTHY
定 価 本体1,200円(税別) KIM CATTRALL
ISBN 4-89407-018-9 ESTELLE GETTY


■この映画のストーリー

 理想の人に巡り合いたい。
 誰もが一度は抱く夢。この映画は、五千年の時を隔てて運命的に巡りあった男女のお話、ユーモアとファンタジックな作りであなたの夢を叶えてくれます。  ジョナサン・スイッチャーは彫刻家の卵。世の中には彼の芸術心を満足させるほどの仕事はない。彼は仕事を転々とし満たされぬ日々を送っていた。
 ある雨の夜、ジョナサンはデパートのウインドウで照明に浮び上がるマネキンを発見する。それは彼が以前勤めていたマネキン会社で精根込めて作った作品だった。
 変なことから、彼はそのデパートに勤めることになり、変なことからウインドウ・ディスプレイを担当することになった。
 ある夜、ジョナサンがウインドウで作業をしているとマネキンに命が吹き込まれ突然人間のように動き出した。ジョナサンは仰天し我が目を疑う。マネキンはエミーと名乗り、五千前のエジプトからやってきたと言う。エミーは完璧な女性だった。唯一の欠点はジャナサン以外の人間がいると単なるマネキンに戻ってしまうこと。ふたりは夜な夜な人気のないデパートの中でファンタジックなデイトを重ねる。初めは戸惑い気味のジョナサンだったが、エミーと恋に落ちるにはさほどの時間は必要なかった。
 彼女の助けを借りたウインドウ・ディスプレイは大評判を呼び、傾きかけていたデパートを盛り返し、お陰でジョナサンは副社長にまで昇進する。
 それを快く思わなかったのがライバルデパートのイラストラ。イラストラは社長以下一丸となってジョナサンを引き抜く為の行動を開始する。その手始めがマネキンの誘拐だった。エミーは誘拐され、追いつ追われつの騒動が巻き起こる。果たしてエミーは無事に連れ戻せるのか、二人の恋の行く末は・・・・
 本映画はラブロマンスを基調として、ポリス・アカデミー的なドタバタ・コメディのノリも含んでいる。両者の関係は不明であるが、エミー役のキム・キャットロール、警備員のフェリックス役G・W・ベイリーが共にポリス・アカデミーで共演していたことを考えれば故なきことではなさそうである。
 また使用される音楽も多彩で主題歌の「愛は止らない」は 1987年のアカデミー賞ベスト・ソングにノミネートされている。 。

■この映画の英語について

 全体的にはオーソドックスなアメリカ英語。会話速度もそれほど速くない。ただし、登場人物の特異性が会話に彩りを添える。
 元来がコメディなので、映像で見せるドタバタだけでなく、言葉の仕掛けが豊富。その一例を見てみたい。
 まず、タイトルの「マネキン」。もちろんディスプレイ用の人形のことだが、動かず、生気のないという含みがあり、映画の内容と照し合わせる時遊び心を感じさせる。そして、マネキンのことを dummy と呼ぶが、これには「人形」と「馬鹿」という二重の意味がありこれを混同することで笑いを生じる。
 "You think we should name our first kid Pinocchio?"(僕たちの最初の子供の名前はピノキオにしない?)などは本映画のタイトルにまさに引っ掛けた台詞。   ジャナサンと同じくウインドウ・ドレッサーのハリウッドというゲイが登場するが、彼の英語がいっぷう変っている。"I'm a dream that once was."(さようなら)、"I will straighten them out toot-sweet!"(すぐに分からせてあげるわ)など、やたらと凝った言い回しやフランス語のアクセントを多用する。これはおしゃれな雰囲気を出すため。
 また、軍隊口調が抜けない警備員のフェリックス、移民と思われるアルマンド、この二人はあちこちで言葉の選択や発音を間違ったりする。その間違いが全然違う意味で別の効果を与える仕組みにもなっている。
 こういった言葉の遊びは何も彼らだけではない。"A customer lined up to get into our store."(ひとりの客が行列を作っている)、"He died in women's lingerie!"(女性の下着で死んだわ)、"Let her rip."(スイッチを入れろ/やぶいてしまえ)など、英語が完全なる母国語であるはずの社長のティムキンやジョナサン、その他にもある。彼らの遊びは普通の言葉でありながら、二重の意味になっていたり、ジョークになっていたり、勘違いしやすい構造になっていたりと気が抜けない。
 もちろん、そのような特殊な英語の合間には、一般日常に応用できる貴重なイディオムや表現が豊富に含まれている。言葉の遊びの部分が解説だけで補えているとは思えない。あちこちに潜んだ言葉遊びを、読者自身が探して欲しい。これは本来ありがちな受け身の学習を緊張感あるものに変えることであろう。

■目次

1. クビだ! You're Fired ……………… 7
2. 好運 My Lucky Day ……………… 19
3. 仕事のみ Stictly Business ……………… 29
4. トワイライト・ゾーン The Twilight Zone ……………… 37
5. 役員会 The Board ……………… 48
6. 誰の夢を見ているの Do You Dream About Me ……………… 57
7. マネキンと彼氏 A Man and His Mannequin ……………… 64
8. 副社長 Vice President ……………… 76
9. 秘密作戦 A Covert Operation ……………… 87
10. 愛はとまらない Nothing's Gonna Stop Us Now ……………… 98

■コラム

アンドリュー・マッカーシー ……………… 36
ジェイムス・スペイダー ……………… 47
キム・キャットロール ……………… 75
愛はとまらない/マイガール ……………… 97

■リスニング難易度

評価項目 易しい → 難しい
・会話スピード
1 2 3 4 5
・発音の明瞭さ
1 2 3 4 5
・アメリカ訛
1 2 3 4 5
・外国訛
1 2 3 4 5
・語彙
1 2 3 4 5
・専門用語
1 2 3 4 5
・ジョーク
1 2 3 4 5
・スラング
1 2 3 4 5
・文法
1 2 3 4 5
合 計 14点

( 16以下 = Beginner, 17-24 = Intermediate, 25-34 = Advanced, 35以上 = Professional )